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第42回教育講演会「はやぶさ2 深宇宙52億㎞の旅路」月崎竜童 氏(119期)

 静岡高校では、毎年各分野の第一線で活躍している卒業生を講師に迎えて、講演会を行っています。

 本年度は、月崎竜童氏(119期)を講師にお迎えして以下の要領で実施しました。  

 日時 令和3年6月22日(火) 13:30~15:30

 会場 静岡市民文化会館 大ホール

 講師  月崎竜童 氏(119期)JAXA宇宙科学研究所 助教

 演題 「 はやぶさ2 深宇宙52億㎞の旅路

 

講師は2003年静岡高校卒業の119期生です。2008年東京大学工学部航空宇宙工学科を卒業後、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修士課程に進学しイオンエンジンを研究テーマとし、さらに博士課程に進みました。2013年同大学院博士課程を修了するまでの間、2008年9月から2010年6月までJAXA宇宙科学研究所はやぶさプロジェクトのリサーチアシスタントとして、2010年5月から8月まではNASAゴダードスペースフライトセンターのリサーチアシスタントとして、さらに2010年4月から2013年3月までは日本学術振興会特別研究員DC1として研究を進めました。2013年博士課程修了と同時に博士号を取得し、JAXAに所属してはやぶさ2プロジェクトチームに加わりイオンエンジンの開発に従事します。はやぶさ2は2014年末に打ち上げられ、その後は運用に入りました。2013年4月から7月まで日本学術振興会特別研究員PD、2016年9月から2017年10月まではカリフォルニア大学ロサンゼルス校の客員研究員として渡米し、帰国後、はやぶさ2の小惑星着陸運用に参加しました。着陸成功後はイオンエンジンを作動させて地球帰還とカプセル回収を行いました。

2010年東京大学大学院修士課程修了時に、首席に当たる工学系研究科長賞を「マイクロ波放電式イオンスラスタにおける性能向上と光ファイバー探針による内部現象解明」で受け、2013年には第3回日本学術振興会 育志賞を受賞しました。2021年4月には文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しています。

現在、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所 助教を務めています。

講演は静高から東大、はやぶさとの出会いなど自己紹介の第1部、はやぶさ初号機の第2部、はやぶさ2の第3部から構成され、宇宙への夢を熱く語る講師の話に、生徒は熱心に聴き入りました。各部毎に設けられた質問コーナーには毎回、会場から質問が絶えず、講演後も講師控室に大勢の生徒が質問に訪れました。講師はそれらにも時間が許す限り個別に丁寧に応答してくださいました。

 

 

 

令和2年度 教育講演会「大空に夢を」

静岡高校では、毎年各分野の第一線で活躍している卒業生を講師に迎えて、講演会を行っています。41回目となる今回は、鈴木與平 氏(76期・同窓会長)を講師にお迎えして実施しました。

 

 日時 令和2年9月15日(火) 13:30~15:30

 会場 静岡市民文化会館 大ホール

 講師 鈴木與平 氏(76期・同窓会長) 鈴与グループ代表

 演題 「大空に夢を」~リージョナル航空と地方再生

 

航空事業フジドリームエアラインズを設立した講師は、慶應大学の学生時代に航空部に所属しグライダーに出会い、いまでもパイロットとしてグライダーの操縦桿を握っているそうです。

フジドリームエアラインズ(FDA)の母体となった鈴与グループは、清水から富士川をつないで山梨との廻船問屋からスタートし、個の自立を前提とする《共生(ともいき)》を理念といているという。講演は、世界に物流のネットワークを持つ鈴与グループの概要をご説明いただいた後、東京一極集中に対して、蜘蛛の巣の横糸のように地方と地方を繋ぎ「地方創生」を目指すリージョナル航空FDAの概要と理念を、機体、航空整備士や乗務員とその訓練、路線などからお話しされ、さいごに自身のグライダーパイロットとしての経験に基づいて、「大空への夢」をお話しいただきました。

生徒たちは熱心に聴講し、質疑応答では、パイロットとして「風を読む」方法、コロナ禍の影響、エスパルス支援について、空港への交通アクセス問題、また高校時代の将来のビジョンについてなど、多岐にわたって質問が寄せられました。

また、講演に先立ち、講師の著書「地方創生とフジドリームエアラインズの挑戦」を全校生徒に一人一冊ずつ寄贈していただきました。